特殊能力設定(概論)


 定義

 一言で言ってしまえば、「非化学的な現象」の総称。科学的に解説、再現することができない現象、生物、物質のことを言う。
それらを扱う「能力」を有する人間を「能力者」、能力を持つあるいは存在概念が生物学の定義と明らかに異なるものを「特殊生物」と呼ぶ。
 また、自然界において発生する現象や生物による被害を「超常災害」と定義している。
なお、故意による人的災害を「特殊事件」とし、当然ながら異邦行為である。



特殊生物


  1.幻獣
 現次元に存在するが、それとは異なる「別次元」に同時に存在概念を持ち、互いに干渉する能力を持つ生物。
多くは「別次元」のほうに生きる場を持つため、こちら側で出会うことが極めて稀であり、字のごとく「幻の存在」である。
 彼らと意思疎通する能力を持ち、かつその力を借りることで間接的に魔術を使用する者が「召還士」である。
幻獣は知能が高いものが多く、寿命も人間より長いものが多い。故に敬意を失した接し方をした場合、その力を借りられないばかりか、報復をこうむることがある。
 直接の「飼育」は基本的に違法。マジックアイテムの材料として爪や羽などが使われるが、それらの採取にも特別な資格を取得しなければならない。

 2.妖魔
 存在概念は幻獣と同様。他の生物(主に人間)に対して有害なものを呼びわけている。
これらを己の戦力とする場合、「従うに足る力」を持つことが条件となり、自分の潜在能力以上のものを呼び出すことはできない。
 例外は、儀式黒魔術による召還がある。
これは、条件づけにより、目的となる事項を達成するための助力を受ける代わり、供物などの代価を払うという一種の契約による。
その代価によって術者が死亡するということも十分ありうることであり、気軽ク使っていいものでは当然ない。

  3.妖獣
 幻獣や妖魔と違い、「別次元」にのみ存在概念を有する生物。
こちら側に現れた場合、知覚できても実態を持たないため、マナを帯びていなければ物理的接触はできない。
 これらを「呼ぶ」ための力と「使役する」ための力は別であり、呼ぶだけなら適正があればそれなりに訓練さえすればできるようになる。
それを使役するにはいくつか方法があり、マナを読み取り強制的に従わせる「見切り」
自分より力が弱い場合のみだが、純粋な「服従」
存在そのものを「封印」し、術者のマナを受け取ることで契約とする「式神」がある。
 これら使役獣を一般に「使い魔」と呼ぶ。

  4.アンデット
 死んだ生物の霊魂や残留思念、もしくは強い感情から生まれる存在。
どの次元にも属さず、実態はない。一般に太陽に当たると消滅すると言われているが、黒魔術の技術によって「創造」されたものにはそれに該当しないものもある。
 一般の魔術でも対処可能ではあるが、「対アンデットスキル」である、一般名称「神聖魔術」でもって対処するのが望ましい。
 他の生物の内的な生命力を感知する力を備えたものが多く、傷を負った場合致死にいたる危険が高い。

  5.ゴーレム
 元々生命を持たないものに魔術を用いて命を吹き込んだ人口物。
たいていは攻撃的で、アンデットを表意させたそれは特に危険とされる。ただし、外側が現物質であるため破壊は容易。
動力である腎臓魂魄を薄利させるか、物質的に完全破壊しない限り停止しない。
 ゴーレムの創造、所有は危険破壊兵器の所持とみなされ、重罪である。
扱うための視覚取得は審査、管理がとても厳しく、一般人で視覚を持つものはいないと考えていいだろう。

  6.精霊
 自然界に無数に存在すると言われており、魔術を行う上で重要な存在と言われる。
「世界」を構成する物質が持つ性質は、精霊のそれぞれの性質の影響を受けているというのが精霊魔術の基礎。
 特に、火、水、風邪、土の「4大属性」に対応する精霊は有名である。
 精霊魔術においてはエレメントを集束するのに「詠唱」を行うのは、これら精霊に呪力を求めるためと定義される。当然愛称がよければより早くその意思を伝え、発現までの時間が短縮できる。

  8.妖精
 エルフやフェアリー、ドワーフといった、ファンタジーな分野でよく聞く名前の種族だが、現代文明が起こる以前、特殊能力が当然だった時代に生きていた今は滅びたとされる種族のこと。
滅んだと言われているが、学者たちの中には、幻獣らと同様、別次元に存在概念を持ち、次元を隔てて今も生きていると主張する者たちも多い。
 精霊や幻獣らと共に生きるかれらは、人間や通常の生物より遥かに高い能力資質を持っていた。
 人間に近い存在概念を有し、混血した末裔たちがもしかしたらどこかにいるかもしれない…。

能力者


 特殊能力には影響を及ぼす対象によって、大きく以下にわけられる。
1.自然現象や生態の内的エネルギーを主とし、物質的な影響を及ぼさない「魔術(マジシャン)」。ただし、エネルギー密度が濃い場合などは物理的影響もありうる。
2.空気を含め、「物質」または重力に対し影響を及ぼす「念動力(サイキック)」。
3.思考、心理に対し影響を及ぼす、あるいは他人のものを知覚する「読心(テレパシスト)」。なお、動植物に対してのテレパシストは稀である。
4.魔術を化学式に応用し、物質を生成する「錬金術(アルケミスト)」。なお、これによって生成された物質はマナの性質を帯びたものとなる。


  マナとは
 個人が体内にそれぞれ持っている不可視のエネルギー。体力のように、術を使用することで疲労感や精神的疲労を感じたりする。
鍛錬することで鍛えることができるが、現代の人間は大半の者がマナは眠った状態で生まれてくる。幼少期に力の片鱗が見られる場合もあるが、成長と共に減退するケースがほとんど。
 一度眠ってしまったマナでも、訓練によって力を引き出すことはできるが、上位の力を得るまでに達するケースはあまりないようである。特に日本人は先天的資質があまり高くないようだが、人種的な特徴だと言われている。
 なお、マナには個性があり、その性質によって使える力が異なる。これは生まれつき持って生まれる絶対的なものであり、適正がない力はどんなに鍛錬しても使うことはできない。
特に精霊魔術には、マナが持つ「属性との愛称」が自分の使える魔術そのものを示す大事な指標である。


  力の発現プロセス
 まずは、己の中にある「マナ」と、自然界に流れるエネルギーとを知覚できなければならない。いわゆる大6感でもって知覚し、エネルギーを集めたり対象を定めたりする。
能力行使の一連の動きには、主に以下のようなプロセスが必要とされる。

  1.集中・思考
 精神を集中しマナを開放、意とする術をイメージする。
連度が上がればこの作業だけで発現する。
 サイキックやテレパシストはこの作業でほとんど用が足りるが、魔術師らに比べて疲労しやすいという統計がある。

  2.集束
 力の発現に必要なエネルギーを自分の周囲に集めること。
この時集束できるエネルギー量を「集束技術」として評価する。

  3.詠唱
 発音による詠唱。魔術において重要な役割を果たす。
言葉には力が宿るという「言霊」を用いるが、ただ発音すればいいというわけではない。
行使されようとする術のマナを知覚できない人間には詠唱は意味不明な音に聞こえ、たとえ異国語であろうと知覚できればその意味を理解できる。
また、詠唱文には決まった呪文があるわけではなく、使うべき術の性質を理解していれば必要な言葉を組み込むことで完成できる。
詠唱の長さは術の規模、本人の適正、集束技術によって変わる。

  4.具現化
 集束したエネルギーでもって必要とする現象を発生させる。この時の燃費のよしあしが「変換効率」となる。
この具現化した状態をうまく保てないと、具現化した先から拡散してしまう。当然大規模なものほど維持が難しい。

  5.発現
 イメージした「術」としてエネルギーを放つ。放たれたエネルギーは再び拡散する。
なお、発現の合図には、「トリガー」といわれる動作を伴う場合が多い。単語一つか二つの短い発音、いわゆる「呪文」、印象を空間に描く「印」、目標を示す「ロックオン」など。
たいていは呪文に何かの動作がセっとになってものである。

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